本当の自分

普段の私たちは日常生活に追われ、 
いずれ失ってしまう何かを手に入れようと 
一生懸命になっているために常に満たされていない状態です。 
心は常に何かを自分の思い通りにしようと夢中になっています。 
そこから不安や恐れが生まれます。 
それを埋め合わせるために、 
一時的な喜びをつなぎ合わせて生きています。 
本当の自分を知らないために喜びを外に求めます。 

私たちは「モノ」を手に入れるために奔走しますが、 
「モノ」を手に入れること自体を目的に 
奔走するわけではありません。 
「モノ」を通して、得られる 
「感覚満足」「満たされた自分」を手に入れたいのです。 
自分が満たされていないと感じるために、 
不安や恐れが生まれ、 
常に何かにとらわれてしまいます。 

また、「自分が愛されていない」と感じるときに、 
人は大きな不安を感じます。 
人はその不安をぬぐうためにいつも愛を探し求めています。 
パートナー、恋人、友人、同僚、仲間、家族・・・ 
愛されたい、癒されたい、という願いは、 
すべて恐れや不安から来ています。 
自分に愛を与えてくれる何かを求め、 
条件付きの幸せをつかむために私たちはいつも一生懸命です。 

愛されたいと思うのは、「愛されていない」と感じているからです。 
常に満たされていないからです。 

これらの自分は本当の自分でしょうか。 
本当にあなたは愛されていないのでしょうか。 
あなたは本当に、誰かからの条件付きの愛なしでは 
喜びや幸せを感じることができないのでしょうか。 
人間はこの「満たされない気持ち」に 
永久に苦しまなければならないのでしょうか。 

いいえ、私たちは、「自分が無条件に愛されていた」 
ということ気づくことができるのです。 
本来私たちは 
至福の喜びに満ちていることを知ることができます。 

インドの古代文献「ヴェーダ」には、 
人間の本質は 
「永遠」であり、 
「真の知識」と「喜び」に満ちている存在である、 
と説かれています。 
これを「サット・チット・アーナンダ」と呼びます。 

サットは「永遠」、 
チットは「知識」、 
アーナンダは「喜び」を指します。 
この、「本来の自分」を「魂」といいます。 

本来喜びに満ちているはずの私たちは、 
これらのことを忘れてしまっています。